ジ・オクトパスこと和泉雄彦が2007〜2008年のごく短い期間に、MySpace上で発表した10の音源を再編集した、発掘音源にしてファーストアルバムである『Octopus Tapes』と、彼の音楽を支える、ギターノイズによるテクスチャーの断片を、ひとつの作品へと昇華させたアンビエント作品『半夏生』をZamboa主宰のJolt! Recordingsから再発する。 「好きな指の形」を頼りにコードを手繰り寄せ、親のいない隙にリビングで鳴らされるギターアンプに、MTRの内蔵マイクを立てかけながら作られたというこの音楽は、完膚なきまでに時代性が無く、遊び相手のいない砂場で屈託無く笑っているようなピュアネスを宿している。美しい旋律と、愛くるしいノイズで出来た、このノスタルジーの宮殿に、私たちはいつの間にか招き入れられ、誰もが自分の内側にある「遠い」何かを眺めることになる。 例えるなら、水色のThe Velvet Undergroundであり、Deerhunterの双子であり、King Kruleの残響であり、20光年先の星の光であり、永遠の夏である。

